「アメリカでは喫煙に対する風当たりが日を追って強くなり、いまでは航空機の中はもちろん、空港・駅・レストランに至るまで、喫煙の場所は極度に制限されてきているので承知しておいてください」出発前のミーティングで、旅行の一切をセットしてくれたM氏の、同行する孫の和喜に対しての言葉。
約一ヶ月の渡米中、決して弱音は吐かなかったが、和喜にとっては禁煙との闘いの連続であった。機内、空港では喫煙場所はごく一部のみ、ホテルでもロビーはほとんど禁煙。客室は自由だが私たち夫婦は喫煙しないので遠慮して必ずホテル外に出て吸うが、吸殻を道路に捨てることもできずに持ち帰らなければならない。ボストンの娘の家庭でも誰も吸わないし、娘婿の両親宅でも同じで、合わせて10日ばかりは彼も相当に苦労しただろう。
このようにアメリカでの煙害意識は予想以上に強く、それも今後ますますエスカレートしていくのではないだろうか?
さらに言うなら、タバコの広告や看板をほとんど見かけなくなった。なにしろ「父親が死亡したのは宣伝を止めないタバコ会社の責任だ」と訴えた裁判で、9000万円の慰謝料の支払いを会社に命じたお国柄である。
帰国して改めて目にするのは相変わらずのポイ捨て、それを靴で踏みにじるのがカッコいいと錯覚している、わが同胞の姿を見ると本当に情けなくなってくる。願わくば海外に行った時だけでも、こんな国辱的な姿はさらしてほしくないと思うのは私だけだろうか?
ついでながら、わが国では車内広告、ビルノ大看板、テレビCMなど連日連夜流される広告、(それもアメリカ製のタバコの)、しかも禁煙は20歳からとか、健康のために吸いすぎに注意しましょう--の大宣伝。なにか変だと思いませんか?
“紫煙よいずこに?”はアメリカの喫煙者の実態であって、日本が相変わらずの喫煙者天国、飲酒者天国であることはまちがいない。 |