TOPへ
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回
第7回 第8回 第9回 第10回 第11回
タバコはマナーを守って・・・
紫煙よいずこに?
 「アメリカでは喫煙に対する風当たりが日を追って強くなり、いまでは航空機の中はもちろん、空港・駅・レストランに至るまで、喫煙の場所は極度に制限されてきているので承知しておいてください」出発前のミーティングで、旅行の一切をセットしてくれたM氏の、同行する孫の和喜に対しての言葉。
 約一ヶ月の渡米中、決して弱音は吐かなかったが、和喜にとっては禁煙との闘いの連続であった。機内、空港では喫煙場所はごく一部のみ、ホテルでもロビーはほとんど禁煙。客室は自由だが私たち夫婦は喫煙しないので遠慮して必ずホテル外に出て吸うが、吸殻を道路に捨てることもできずに持ち帰らなければならない。ボストンの娘の家庭でも誰も吸わないし、娘婿の両親宅でも同じで、合わせて10日ばかりは彼も相当に苦労しただろう。
 このようにアメリカでの煙害意識は予想以上に強く、それも今後ますますエスカレートしていくのではないだろうか?
 さらに言うなら、タバコの広告や看板をほとんど見かけなくなった。なにしろ「父親が死亡したのは宣伝を止めないタバコ会社の責任だ」と訴えた裁判で、9000万円の慰謝料の支払いを会社に命じたお国柄である。
 帰国して改めて目にするのは相変わらずのポイ捨て、それを靴で踏みにじるのがカッコいいと錯覚している、わが同胞の姿を見ると本当に情けなくなってくる。願わくば海外に行った時だけでも、こんな国辱的な姿はさらしてほしくないと思うのは私だけだろうか?
 ついでながら、わが国では車内広告、ビルノ大看板、テレビCMなど連日連夜流される広告、(それもアメリカ製のタバコの)、しかも禁煙は20歳からとか、健康のために吸いすぎに注意しましょう--の大宣伝。なにか変だと思いませんか?

 “紫煙よいずこに?”はアメリカの喫煙者の実態であって、日本が相変わらずの喫煙者天国、飲酒者天国であることはまちがいない。
セントパトリック・カテドラル
セントパトリック・カテドラル
 ニューヨークへ着いた翌日、私達はホテルの付近を歩いてみた。
 西へ向かって5番街との角に、歴史を感じさせる威厳に満ちた堂々たる建物を見かけた。正面には道路から10数段の階段があり、ザックやデイバックを背にした若者達が、それぞれに2人から5人くらいのグループで座っている。男女ともにTシャツ・短パン姿で、思い思いにおしゃべりしたりパンをかじったり、ミネラル・ウォーターを飲んだりしている。

 この建物が、あの音に聞こえた大聖堂「セントパトリック・カテドラル」であった。名前は知っていたが、ニューヨークの中心も中心、マンハッタンの5番街と51丁目の角地、すぐ前はあのロックフェラー・センターであり、付近は世界のブランド・ショップや一流デパートが並ぶ世界一の商業地であり、そのど真ん中に悠然と“1ブロック”を占有しているのには、まさか?とわが目を疑った。
 私達は階段を上り、高さ5mはあろうと思える重い扉を押して、100年以上の歴史をもつこの大聖堂の中に入った。外の空気とは一変し、やや暗く広く、高い天井のもとにびっしりと礼拝堂の長椅子が並び、正面にはキリスト像を中心に華麗な祭壇。ちょうどパイプオルガンによるアベ・マリアの曲が聖堂いっぱいに流れ、荘厳な雰囲気に満ち満ちていた。
 翌日、ホテルに近いこともありミサに出席した。正午に聖堂に入り開始を待つ。礼拝者は設けられた長椅子の半分くらいだが、よく見ると意外にもほとんどが10代から20代の若い世代で、中には50代位の人もいるが、私達夫婦のように70歳代は全然見当たらない。
 ミサは白人女性と黒人男性のリードによる賛美歌から始まり、緑の法衣の司祭が祈り、説教と続き、再び賛美歌で終わるが、その間に例の喜捨の浄財集めのカゴが回ってきて、私達もいくばくかの喜捨をさせてもらった。その後はオルガンの荘厳な響きの中で、一人ひとりが司祭の前に行き祝福を受けて下がるのだが、女性は老いも若きも必ず方膝を折って祝福を受けるのがいかにも可愛らしく感じられた。

 若い信者?で満ちているカトリック大聖堂、詣でる人は老人ばかりで、若者は見向きもしない日本の神社仏閣。
 どこからこのような違いが生まれてきたのだろうか?

 単に文化の差であると決めつけていいのか?どう考えても私の中では解答を出せないでいる・・・・・・。(つづく)
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回
第7回 第8回 第9回 第10回 第11回