ホテル・ルクソールのロビーには、グランドキャニオンやディナーショー、変わったところでは実弾射撃体験などの各種ツアーの売り込みのために、各社の営業社員の姿が絶えない。
続々とバスで送り込まれる日本人観光客(ほとんど新婚カップル)に、笑顔いっぱいで長時間かけて各社競争で売り込みを続ける彼女たちの姿には感心した。
私たちは、グランドキャニオンの観光に向かった。迎えのバスに乗りエアーベガス空港へ。客のほとんどが日本の若い男女で、私たち年寄り夫婦は何か異人種の感じになった。乗り込んだセスナ機の定員はパイロットを入れて10名。9名の乗客は私たち3人と新婚三組。小型機だから風に流されるとドスンと落ち込むし、まことに派手なフライトが続き、みんな黙りこくって耐えている。離陸後しばらくして「皆さん、眼下にグランドキャニオンが見えてまいりました」と日本語の観光ガイド・テープが流れ、急いで目を凝らすと凄まじいばかりの光景が展開している。一本の草木もない巨大な岩山と渓谷の果てしない連続。ふと機内を見ると新婚3組は深い眠り?の中。まもなく着陸してグランドキャニオンの頂上展望台3ヶ所を巡る。2000mの断崖下にはコロラド河がくねくねと渓谷を縫い、1500年かかって形成された地球創世記のような息を呑むばかりの奇勝に見とれて、さて新婚さんはと見ると、相変わらずの仏頂面が多い。どうでもいいことだが、この仏頂面の原因を昨夜の大興奮の疲れかと想像していたが、どうやらカジノにあることが読めてきた。あの花嫁の不機嫌さは大金をスッたにちがいない。逆に嬉々としたカップルはささやかな儲けをつかんだか、初めからカジノに無関心な組だろう。
帰りのセスナ機では、お互いに笑顔を取り戻し我々を安心させた。はるばる日本からやってきた若いカップルの皆さん、本当にお疲れさま。
どうぞ末永くお幸せに---。(つづく) |