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ハワイ---もうすぐ日本です
 私たちのアメリカ旅行もいよいよラスト・スケジュールになり、9月12日、ホノルル空港に到着した。
 言葉や地理に不案内の私たちが各地を回っても必ず誰かが助けてくれた。このハワイでは知人の川畑雄一氏の別荘に電話したが応答なしで、英語の全く出来ない3人だけとなった。しかし、心配はなかった。そうです。ハワイでは日本人相手に商売しないと成り立たないといわれるほど日本人が多く、特にオアフ島などはどこに行っても日本語が通じるのだ。
 たとえばこんな事があった。宿泊ホテルはワイキキビーチの南端にあり、目の前が浜辺で水着のままで出られて便利なので選んだ小さなホテル(それでも18階建て)だが、日本人スタッフはいなくて宿泊客もアメリカ人が多かった。ある朝両替のためにフロントに行き、褐色の肌の女性係員に「マネー・チェンジOK?」と聞くと、彼女はペラペラと返事をするのだがよくわからない。ミクロネシア訛りの英語かと再び「マネー・チェンジOK?」と聞くが同じ返事をするだけ。思い余って「More slowly please」と単語を並べると彼女はゆっくりと一語一語話してくれた。
 「オ・ヘ・ヤ・ノ・バ・ン・ゴウ・ワ・ナ・ン・バン・デスカ?You know?」--そうです、そうなんです。なんと彼女は最初から日本語を喋っていてくれたのです!かくて両替は無事に?終わりました。同じアメリカでもハワイ以外では英語の分からない者にも、理解できないあなたが悪いのだとばかりに早口でぶつけてきて、ゆっくりと分かりやすくなんて気持ちはさらさらなし。しかし、このように少なくともハワイでは日本語を使う努力がされていることに気づき、日本人が気持ち良く滞在できる土地柄のように思ったのだが、川畑さん如何ですか?
 どんなに暑くても汗をかくことのないハワイ。あらゆる料理があって食事にも困らないハワイ。ただし、お金があってこその話だが・・・・
カラカウア大王像・ホノルル
Remember Pearl Harbor
 このアメリカ旅行最後のスポット、ハワイの6日間は休息を取るのが目的。したがってオアフ島から一歩も出ずにのんびりした時を過ごす。
 前述のように言葉の心配も不要とあれば、食事をしたりしなかったり、ゆっくり朝寝坊して興至ればワイキキの浜でナイスバディ!を目で追いかけたり、打ち寄せる白波を前にしたベンチでウトウトしたりの毎日--。
 そんな中でも是非訪れたい所がパールハーバー、真珠湾である。日本人もアメリカ人も決して忘れることのできないアノ日、アノ場所である。
 1941年(昭和16年)12月7日(日本時間8日)未明、千島の単冠湾を出港した南雲忠一中将指揮下の第一航空艦隊を主力とした日本海軍機動部隊の急襲を受け、真珠湾に停泊中の戦艦アリゾナ、オクラホマを含むアメリカ太平洋艦隊に壊滅的打撃を与えた戦いの跡を訪れるわけである。
 当時、日本からの宣戦布告の文章の暗号解読に手間取り、野村大使がハル国務長官に手渡した時には、攻撃が始まってすでに1時間以上経過していた。このため日本は「だまし討ち」の烙印を押されつづけて、ついには敗戦の憂き目を見ることになったのはご承知のとおりである。
 いまさら言っても始まらないが、真珠湾攻撃をテーマにしたアメリカ映画「トラトラトラ」では次のように語られている。------当時のCIAは高度な翻訳機を開発済みで、あの暗号文は即時解読しており、日本の開戦の意志も軍事行動もすべて筒抜けであったそうだ。
 かくして、野村大使からの通告のある前に宣戦布告を知ったハル国務長官は、当然、ハワイをはじめ、最初に攻撃を受けると予想される各地に応戦準備指令を出すために電話を取ったが、考え直して受話器を置いた。即ち、日本軍に奇襲させるように仕向けたのだ。
 それは、日本との開戦について上層部でも賛否両論相対して、必ずしも挙国態勢ができておらず、むしろ、ルーズベルト政権の危機さえ伝えられていた中での、ハル国務長官の仕掛であった。
 ハワイ太平洋艦隊の損害は余りに大きく、司令官キンメル大将は罷免、ルーズベルト大統領を中心に国論が統一され、“Remember Pearl Harbor”の大合唱で全米が沸き返った。
 かくして、ハル国務長官の仕掛けは見事に功を奏し、日本はこれによって眠れる獅子を起こしてしまったのだ。------と、「トラトラトラ」は結んでいる。
 戦争終結から54年、半世紀を過ぎた今も「だまし討ち」の烙印は残っているだろうし、それを忘れないために撃沈された戦艦アリゾナの砲塔をモニュメントとして残しているのであろう。
 こんなあれこれを思いながら真珠湾観光をすることにした。(つづく)
戦艦アリゾナのイカリ
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